どうも、ネコキング(@king_of_cat)です!


この記事では、ポイントで得た利益が税金の対象となるのか、具体的には確定申告をしなければならないのかという問題について、元税務署職員である僕が解説していきます。

はじめに


ポイントはお得!でも得しているということは税金が掛かるの?


楽天ポイントやTポイントを貯めている方は沢山いますよね。

また、ポイントサイトを使ってお得にポイントを貯めている人もいれば、特に意識はしていないけどクレジットカードなどにポイントが貯まっている人もいると思います。


最近では、ポイントを貰える機会が増えているほか、企業間の提携が増えてきてポイント払いできるサービスが急増していたり、ポイントから別のポイントに交換できるようになったりしています。

ポイントの「集め方」も「使い方」も多様化しているのです。


そんな「ポイント」と「税金」の関係について解説していくわけですが、最初に結論をいうと、ポイントで得た利益は確定申告しなければならない場合があります

申告が必要な方は一部の方のみですが、その一部の方はきちんと申告しなければいけないのです。

この記事では、
  • なぜポイントが税金の対象になるのか
  • ポイントによる税金の計算方法
  • ポイントについて確定申告が必要な場合と不要な場合
  • Q&A
の順番で説明していきたいと思います。


なお、記事中の内容は、基本的には国税庁のホームページで公開されている論文(以下「国税庁論文」)の内容に基づいています。

ただしこの論文は、執筆者の個人的見解であり、国税の公式見解ではないというスタンスのものです。

そして、ポイントに関する税務の答えが示されている判例・通達などはないため、結局はざっくり定められている所得税法の規定や国税庁論文によって判断するしかないというのが現状です。

したがって、今回の記事に書いてあることが絶対的な答えではありませんので、あくまで参考程度にご覧いただければと思います。


(2020.1追記)
国税庁からポイントに関するタックスアンサーが公表されました。

記事中で解説します。


なぜポイントが税金の対象になるのか


利益があれば所得税の対象!


所得税の対象となる「所得」とは、個人が得るあらゆる経済的利益をいいます。

その個人の所得を対象として所得税が計算されるのです。

あらゆる所得が所得税の対象になるのですが、例外的に所得税の対象にならない所得があり、これを非課税所得といます。

非課税所得は、失業給付や生活保護の給付金、宝くじの当選金など様々なものがありますが、統一して言えることは、所得税法その他の法律によって非課税とする旨が定められているということです。

つまり、個人が得るあらゆる経済的利益のうち非課税所得に該当しないものは所得税の対象になるのです。

そして、ポイントで得た利益は、これを非課税とする旨の法律の規定はないため、所得税の対象になるのです。

ポイントの使用と値引きの関係


値引きしてもらって得しても課税されないじゃん。何が違うの?


この点の考え方が非常に難しいのですが、国税庁論文によると、値引きは、最終的に事業者側が決めることであり、通常の商取引であるから値引きされた分は所得ではないと整理されています。

値引き前提の値段設定がされている商品やサービスも多くありますので、そういった商品などを値引きしてもらったからといって、その値引分の利益があったとは言えないですよね。


これに対してポイントは、期限や利用方法などあらかじめ定められたルールの中であれば、いつ、どのように使用するかは消費者の自由ですから値引きとは性質が違います。

そして、法的に整理すると、ポイントを使用した時点で企業から消費者に支払額が安くすんだ分の贈与があったものとみることになります。

この贈与とみる部分が所得になるというわけです。


なお、企業が発行するポイントのうち買い物金額に応じて付与されるポイントについては、値引きと同様のものとして課税対象としないというように取り扱われています。

国税庁タックスアンサー

ショッピングポイントは値引きと一緒!



ポイントによる所得の計算方法


ポイントの発生形態に注目!


所得税法は所得の種類を事業所得、不動産所得など10種類に分けています。

ポイントによる利益が該当する可能性のある所得は次のとおりです。
  • 一時所得
  • 雑所得
  • 事業所得
各所得の計算方法はその所得の種類によって異なります。

ですので、まずは、ポイントによる利益がどの所得になるのかを考えなければいけません。

どの所得になるかは、ポイントの発生形態により判断することになります。

一時所得になる場合


企業から贈与を受けたポイントは、一時所得になります。

(具体例)
  • キャンペーンにエントリーして抽選に当選して付与されたポイント
  • クレジットカードの作成で付与されたポイント
  • キャンペーンページから銀行口座を開設して付与されたポイント
買い物金額に応じて付与されるポイントは、値引きと同様のものとして取り扱われているので一時所得になりません。

一時所得の計算方法


(収入金額 - 必要経費 - 特別控除) × 1/2

一時所得には、50万円の特別控除がありますのが大きいですよね。

さらに特別控除を引いた後の金額の1/2のみが税金の対象になります。

かなり優遇されている所得です。

なお、ポイントの基となった買い物やクレカの年会費などは必要経費になりませんので、必要経費になるものは基本的はありません。

雑所得になる場合


役務提供の対価として得たポイントは雑所得になります。

(具体例)
  • アンケートに回答して付与されたポイント
  • 紹介料として得たポイント
  • アフィリエイトで得たポイント
  • ポイントサイトで得たポイント
アンケートに回答した場合や会員を紹介した場合に貰えたポイントは単なる贈与ではなく、その回答や紹介という役務提供の対価ということになります。

アフィリエイトは広告収入ですから贈与とは見れません。なお、収入の規模などによっては事業所得になります。

ポイントサイトで得るポイントは、ひとことでいうと自己アフィリエイトですので、やはり雑所得になります。

雑所得の計算方法


収入金額 - 必要経費

アフィリエイト収入がある場合には、PC関係や通信費、参考書籍などが必要経費になる場合があります。

例えばPCを1台だけ持っていて、それをアフィリエイトのためにも使うし、他の生活のためにも使っているとします。

このような場合には、アフィリエイトに使用している部分のみが必要経費になります。


事業所得になる場合


事業としてポイントを獲得していた場合や事業の付随収入としてポイントを獲得した場合は事業所得になります。

サイトやブログを運営していて相当程度のアフィリエイト報酬があれば事業所得になります。

この場合にアフィリエイト報酬として得るポイントは当然事業所得になります。


事業の付随収入とは、例えば商売を営んでいる人が事業用のクレジットカードを作った際に付与されたポイントや、経費をクレジットカードで支払った場合に付与されたポイントなどがこれに当たります。

事業所得の計算方法


収入金額 - 必要経費

計算方法自体は雑所得と一緒です。

事業所得を計算した結果、赤字になった場合には、その赤字の金額を他の所得から差し引くことが出来ます(雑所得は不可)。これを損益通算といいます。



ポイントについて確定申告が必要な場合と不要な場合


「申告不要制度」を押さえておこう!


一時所得


一時所得には50万円までの特別控除がありますので、一時所得となるポイントについて申告が必要な人は多くないと思います。

注意点

他の一時所得(保険の満期等)がある場合、引ける特別控除は合計で50万円までとなります。



雑所得


雑所得には特別控除はないので、雑所得となるポイントがあれば、少額でも確定申告が必要なのでしょうか。

これについては、例えば専業主婦など他に収入がなければ、38万円(基礎控除額。令和2年分からは48万円)までは税金が掛かりませんので、確定申告は不要です。

他には、サラリーマンで年末調整が済んでいる場合は、他の給与や所得が20万円以下の場合は確定申告をしなくても良いという申告不要制度があります。


ただし、住民税には申告不要制度はないので、少額の雑所得であっても住民税の申告は必要になります。
所得税の確定申告をした人は住民税の申告はしなくて良いことになっています

注意点

申告不要制度は、確定申告自体をしなくても良いという制度ですので、確定申告をする場合には20万円以下の雑所得も含めて申告が必要になります。

(参考)
給与所得者が申告する場合
  • 医療費控除を受ける場合
  • 寄付金控除を受ける場合(ワンストップ特例を受ける場合を除く)
  • 住宅ローン控除を初めて受ける場合
  • 年末調整をしていない場合
  • 2ヶ所以上から給与がある場合(2ヶ所目の給与が20万円超え)
などなど

事業所得


事業所得がある人はもともと確定申告をしている人が多いと思います。

事業をしていれば絶対に所得税の確定申告が必要というわけではありませんが、申告義務がある人が大半です。

どのような場合に申告義務があるかは、国税庁HPで確認しましょう。



Q&A


Q1 ポイントの収入となる時期は?


A1 ポイントを使用したときです


一時所得になるポイントは、国税庁論文で検討されているとおり、使用した時点で所得として認識することになります。

雑所得や事業所得となるポイントについては非常に難しいところですが、①役務提供の日、②付与された日、③使用した日のいずれかのうち、権利が確定した日に収入を認識すべきことになります。

これについては、ポイントは付与されても失効することがあること、最低使用ポイント数が定められている場合があることなどからするば、雑所得や事業所得となるポイントについても、使用した時点で所得として認識することになると思われます。

Q2 現金化しなければ税金は掛からない?


A2 現金化するかどうかは関係ありません


アフィリエイトやポイントサイトで得たポイントを現金化しないでポイントのままネットショッピングで使用したり、電子マネーや他のポイントに交換した場合も、その使用や交換の時点で雑所得等になります。

Q3 申告しないと税務署にバレる?


A3 バレるバレないの問題ではありません


納税は義務ですので、一人一人が正しく申告しましょう。

関連記事


Q4 ギフトカードでポイントを買った場合や貰った場合は?


A4 所得税の対象にはなりません


人からギフトカードでポイントを貰ったときは、贈与税の対象であり、所得税の対象にはなりません。贈与税の基礎控除(110万円)以上の贈与を受けた場合は、贈与税の申告が必要となります。

自分でギフトカードを買った場合(楽天バリアブルカードなど)、それ自体には利益はないため所得税は掛かりません。後日キャンペーン特典を受けた場合には、その特典分のみ一時所得の対象になります。


Q5 ポイントで医薬品を購入した場合の医療費控除はどうなる?


A5 ポイント使用前の金額で医療費控除を計算できます


この点については国税庁タックスアンサーにより、次のうち有利な方を選んでよいという取り扱いが示されています。

①ポイント使用後の支払金額で医療費控除を計算

②ポイント使用前の支払金額で医療費控除を計算し、ポイント使用額を一時所得の収入とする

一時所得には50万円の特別控除があるため、②を選択した方が有利になる場合がほとんどです。
※保険の満期等、他の一時所得が50万円以上ある場合、①を選択した方が有利になることもあります。


さいごに


今回の記事では、ポイントと税金について解説しました。

記事中で解説したとおり、雑所得となるアフィリエイトやポイントサイトでの利益が20万円を超えてくると申告が必要になる場合がありますので気を付けましょう。


※この記事は国税庁論文を基に所得税についての一般的な解釈を記載したものであり、申告内容を束縛するものではありません。
確定申告は自分の責任で期限内に正しく申告しましょう。
個別具体的な質問への回答は税理士法に抵触するためできませんのでお控えください。